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犯罪被害者等基本計画検討会


日本の被害者問題の進展が世界の注目を集めている!!!
     =自民党ヒヤリングの報告=     弁護士 高橋 正人(2005.11.15)

 あすの会の顧問である諸澤英道先生からメールが届きました。

それによりますと、世界被害者学会事務局のあるオタワ大学(カナダ)で、日本の被害者問題の進展について、1999年以降の動向をあすの会を軸にして講演したところ大変な反響で、被害者対策が遅れている国々に対し、岡村先生から直接、日本での戦略について語って欲しいという強い要望があったそうです。

 被害者問題の先進国であるドイツやフランスで、実際に被害者問題が取り上げられることになったのは30年くらい前のことです。その後、訴訟参加制度や附帯私訴制度などが成熟し、確立するまで20年〜30年という年月がかかりました。

 ところが、我が国では、あすの会が活動を始めてからたったの5年で犯罪被害者等基本法が制定され、今年の12月下旬には、訴訟参加や附帯私訴についてある程度の方向性が書かれた犯罪被害者等基本計画案骨子が閣議決定される予定です。

こんなに早く被害者問題が進展していることに世界の人が驚いているというのです。

 ところで、各回の基本計画検討会が終了すると、2回に1回、自民党の国会議員が出席して基本計画検討会のメンバーに対するヒヤリングがあります。

11月15日の自民党ヒヤリングには私が出席させて頂き、日本の動きが世界の注目を集めているというお話をさせて頂きました。そうしましたところ、自民党や政府関係者から大きな反響があり、ヒヤリング終了後、南野・前法務大臣から、「大変に良いことを聞かされました」とお礼まで言われてしまいました。

 犯罪被害者等基本法は、世界でも類を見ない程、良くできた法律ですが、これも約56万の署名や各自治体の決議があったからこそ実現したものです。
あすの会の活動が大きく実を結びつつあるのではないでしょうか。

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実名報道か匿名報道か
     =第9回基本計画検討会の報告=     弁護士 高橋 正人(2005.10.25)

今、被害者名の報道の在り方について実名か匿名か大きな論議を呼んでいます。
 この問題は、犯罪被害者等基本法を検討する第9回基本計画検討会(10月25日)のときに大激論となりました(出席者16名)。といっても賛成、反対の各勢力が相半ば拮抗して大激論、と言うのではなく、1人の委員が最後まで頑強に抵抗し(実名報道を原則とする意見)、岡村代表を始め多くの委員がこれに反対するという構図でした。

そして、大激論の妥協点として、実名発表か匿名発表かを警察の判断に委ねるという骨子(案)が全員一致で可決されました(但し、正式決定は12月下旬)。従って、この案は、いずれの立場の人も完全には賛成できないという点で、妥協の産物だった訳です。

 もっとも、賛成できないという点で両者は一致しているものの、賛成できない理由は正反対でした。岡村代表を始め被害者側は、実名か匿名かを被害者の意思に委ねるべきだから警察判断に任せるのには反対という理由であったのに対し、マスコミ側は、マスコミの自主的な判断に委ねるべきだから警察判断に委ねることには反対というものでした。

 11月29日の毎日新聞の朝刊で、特集記事が組まれていますが、そこでは、警察の判断に委ねることに賛成か反対かを被害者に質問した結果、多くの被害者が反対と答えたと書かれています。

しかし、この質問に加えて、では、反対するとして、被害者の意思を尊重すべきと思いますか、マスコミの自主的判断に委ねるべきと思いますか、という質問があれば、ほとんどの被害者はその意思を尊重すべしと答えたでしょう。

その結果、マスコミの自主的な判断に委ねるというマスコミ側の論理にほとんどの人が反対していることが浮き彫りになったと思います。しかし、そのような質問は割愛されていた訳です。

 報道の恐ろしさをいまさらながらに実感しました。これはマスコミによる2次被害ならぬ3次被害とも言えるでしょう。

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