第8回 関西集会  2002.1.13
関西集会を終えて
  息子が傷害事件に遭い、後遺症で脳に障害を持つ身となってから、あすの会の会員となりました。それまでは親も子も人様にできるだけ迷惑をかけないように気をつけて生活してきました。またそれ相応に義務も果たしてきましたが、被害者となり、あまりにも守られない言が多く悲しくなりました。

 その中で、自分にもできることをと、考えて支援傍聴にゆくことにしました。今まで知ることのなかった被害者の現実が色々と解ってきました。先日も、支援傍聴に行きまして、被告人の証人尋問のとき、被告人は自分の裁判に関係する書類は自分で書く力を持っておられるのですが、弁護士の質問で、被害者や遺族のかたに 対する気持ちを、との質問には答えがなく、裁判長の優しい声での質問にも返事が出るまでの、無言の時間の長い事。

 その反面、自分の疑問は聞くことができる。都合によって権利を使い分けしている様子を傍聴していて、これで本当に被告人の罪がどのように理解され考えられて、判決が下されるのか。また、これから先被告人が生きてゆく中で自分の罪をどのようにして償いされるのか、疑問を感じました。

 突然に命を奪われた被害者と家族に比べて、被告人は生きることができ、その人の考え方でやり直すこともできます。しかし、傷ついた身や、失われた命はもう元通りになることがない。
 被害に遭って初めて被害者の権利のない現実を知り、事件のない日は無く、また理由のわからない事件が多くなってきた今、裁判の中でもこの被害者のおかれている現実の立場を考えてもらえるようになってほしいと、傍聴に行くたびに強く思います。

(大阪、K.I.)
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